平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑬

 将来債権譲渡担保における将来債権の移転時期については、譲渡担保設定契約時説と、債権発生時説があるようです。潮見プラクティス民法債権総論[第4版]は、譲渡担保設定契約時説に立ち、その判例として前掲最判平成19年2月15日と最判平成13年11月22日を挙げています。

 しかし、最判平成13年11月22日の最高裁判例解説を見ますと、将来債権は債権発生時に移転する、とあります。

 最判平成19年2月15日の最高裁判例解説は、判決文に「国税徴収法24条6項の解釈においては」とあることなどから、将来債権の移転時期に関する民法上の論点については判断を留保したものと解しています。

 本問は、将来債権譲渡の移転時期をきく問題ですが、基本書に十分な記載がされていないという意味で、難問であると思います。