2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

平成25年〔民法〕〔設問1〕(2) 答案例

Cは、AとDとの間で甲債権について免責的債務引受けがされているから、債務を負っていないとして支払いを拒絶することが考えられる。 前提として、債務者の関与なしにされた免責的債務引受けも有効である。債務者はこれによって利益を受けるだけであるし、…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1) 答案例②

甲債権を取得する時期 動産や不動産の譲渡担保の法的性質について担保権であると考えれば、将来債権譲渡担保においても、譲渡担保実行のとき、つまりAに対して取立権限を喪失させる旨を通知した平成25年5月7日にBが甲債権の所有権を取得するとも考えら…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1) 答案例①

契約の有効性について 債権の譲渡は原則として有効であるが(民法466条1項本文)、譲渡された債権とそうでない債権を区別するため、目的たる債権を特定する必要がある。将来債権譲渡でも同様である。 本問において、現在有している債権については、「パ…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑬

将来債権譲渡担保における将来債権の移転時期については、譲渡担保設定契約時説と、債権発生時説があるようです。潮見プラクティス民法債権総論[第4版]は、譲渡担保設定契約時説に立ち、その判例として前掲最判平成19年2月15日と最判平成13年11…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑫

本問でまず問われているのは「その担保として,パネルの部品の製造及び販売に係る代金債権であって,現在有しているもの及び今後1年の間に有することとなるもの一切を,Bに譲渡した。」という契約の有効性ですが、始期と終期が明確であって、一見簡単であ…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑪

将来債権譲渡担保による債権移転の時期に関する最高裁平成13年11月22日第一小法廷判決 「甲が乙に対する金銭債務の担保として,発生原因となる取引の種類,発生期間等で特定される甲の丙に対する既に生じ,又は将来生ずべき債権を一括して乙に譲渡する…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑩

複数の債務者に対する多数の債権を対象とする債権譲渡の有効性に関する最高裁平成12年4月21日第二小法廷判決 「債権譲渡の予約にあっては、予約完結時において譲渡の目的となるべき債権を譲渡人が有する他の債権から識別することができる程度に特定され…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑨

譲渡担保としての債権譲渡には、取立権限留保型集合債権譲渡と、予約型集合債権譲渡ないし停止条件型集合債権譲渡の2つのタイプがあります(内田民法3[第3版])。 本問は「A及びBは,融資金の返済が滞るまでは上記代金債権をAのみが取り立てることが…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑧

話は将来債権譲渡の有効性の論点に戻ってしまいますが、最高裁判例解説民事編平成11年度(上)によれば、最初期の学説では、将来債権譲渡契約の効力が比較的広く認められていたようですが、朝鮮高等法院判昭和15年5月31日が「債権発生ノ基礎タル法律…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑦

続いて将来債権譲渡の効力発生時期に関する最高裁平成19年2月15日第一小法廷判決 「将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約は,譲渡の目的とされる債権が特定されている限り,原則として有効なものである(最高裁平成9年(オ)第219号同11年…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑥

前掲最判平成11年1月29日に戻りますと、最判平成11年1月29日は、「右契約の締結時において右債権発生の可能性が低かったことは、右契約の効力を当然に左右するものではないと解するのが相当である。」といっています。「当然に左右するものではな…

将来債権譲渡に関する規定の創設予定

将来債権譲渡については、民法改正に関する要綱案のたたき台として、次の案が挙がっています。 2 将来債権譲渡 将来債権の譲渡について、次のような規律を設けるものとする。 (1) 将来発生する債権(以下「将来債権」という。)は、譲り渡すことができる。…

民法(債権関係)の改正に関する要綱案のたたき台(1)~(10)

法制審議会 - 民法(債権関係)部会 http://www.moj.go.jp/shingi1/shingikai_saiken.html 民法(債権関係)の改正に関する要綱案のたたき台(1) 平成25年9月10日 (意思表示、代理、無効及び取消し、条件及び期限) http://www.moj.go.jp/shingi1/shing…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート⑤

引き続いて最判平成11年1月29日は、「将来の一定期間内に発生し、又は弁済期が到来すべき幾つかの債権を譲渡の目的とする場合には、適宜の方法により右期間の始期と終期を明確にするなどして譲渡の目的とされる債権が特定されるべきである。」としてい…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート④

最判平成11年1月29日はまず、「債権譲渡契約にあっては、譲渡の目的とされる債権がその発生原因や譲渡に係る額等をもって特定される必要があることはいうまでもなく」といっていますが、これは将来債権譲渡に限ったものではなく、債権譲渡一般のことで…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート③

将来債権譲渡の有効性に関する判例(最高裁昭和53年12月15日第二小法廷判決) 「ところで、現行医療保険制度のもとでは、診療担当者である医師の被上告人ら支払担当機関に対する診療報酬債権は毎月一定期日に一か月分づつ一括してその支払がされるもの…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート②

将来債権譲渡の有効性に関する判例(最高裁平成11年1月29日第三小法廷判決) 「将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の有効性については、次のように解すべきものと考える。 (一) 債権譲渡契約にあっては、譲渡の目的とされる債権がその発生原…

平成25年〔民法〕〔設問1〕(1)  ノート①

(債権の譲渡性) 民法466条1項 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

平成25年〔民法〕出題趣旨

設問1のうち,小問1は,将来債権譲渡が原則として有効であることを踏まえ,担保目的でされた将来債権の譲渡契約の結果,債権譲受人が将来債権をいつの時点で取得したのかについて,動産譲渡担保・不動産譲渡担保と異なる債権譲渡担保の特性を意識しながら…

平成25年〔民法〕問題

[民法]次の文章を読んで,後記の〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。【事実】1.Aは,太陽光発電パネル(以下「パネル」という。)の部品を製造し販売することを事業とする株式会社である。工場設備の刷新のための資金を必要としていたAは,平成2…

司法試験予備試験サイト

法務省:司法試験予備試験サイト http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/shikaku_saiyo_index.html