平成25年〔民法〕出題趣旨

 設問1のうち,小問1は,将来債権譲渡が原則として有効であることを踏まえ,担保目的でされた将来債権の譲渡契約の結果,債権譲受人が将来債権をいつの時点で取得したのかについて,動産譲渡担保・不動産譲渡担保と異なる債権譲渡担保の特性を意識しながら理論的に説明をすることができる能力を試すものである。小問2は,担保目的での将来債権譲渡がされた後に債権者・引受人間でされた免責的債務引受の効力及び対抗力に留意しつつ,譲渡債権について差押債権者が有する地位を,事実に即して論じさせるものである。また,設問2は,将来債権譲渡を目的とする契約が締結された後に譲渡債権に付された譲渡禁止特約をもって債権譲受人に対抗することができるか否かを,譲渡禁止特約に関する民法第466条第2項の理解を踏まえ,債権譲受人の地位及び債務者の地位に結び付けられた利益を考慮に入れつつ理論的に説明することができる能力を試すものである。

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